2024-07-29 v0

宮崎では早期米の収穫がほぼほぼ終わりました。

一昨年、10年続けた田んぼをやめてからは、沖の潮を汲み上げるための船を出してくれている方からお米を買っています。※この方はお店の大家さんでもあります。

その田んぼはいつもの通り道にあるから、田植えから稲刈りまでの全ての過程を毎日見させてもらっていて。

田植えしたあと、田車と呼ばれる手押しの機械で除草をして疲れ切っていた姿。今年は田車が途中で壊れてしまい、難儀しました。猪が畦を掘ったり、草刈りをしたり、いろんな景色を毎日見てきました。

知っているからこそありがたいし、おいしいし、心が豊かになる。当たり前にあるものではない食。オートマチックにできあがるものではないことを伝えたい。産業的に作られたものばかり食べていると心がどんどん空っぽになる。一人で生きているなんて思わないでほしい。

わたしが田んぼをしていた時、子供たちにどれだけ伝えられていたかといえば、ほとんど伝えられなかったように思います。どれだけ口で伝えても、現場を見ること以上には伝わらなかった。

家族にも伝えられないほど難しいこと。デザイナーだからできると思って自ら畑に立つことをはじめた農業でしたが、情けないことに1割も伝えられていないと思います。

「8ヶ所の畑、合計で30000平米を1人で管理してます」…なんて言って何が伝わるのか。毎日早起きして草刈りしてるけど、映えない写真をあげるとみんな離れていくからあげられない。

だから私は独りよがりな想いを閉じ込めて、独りよがりに大切に、いただいたお米を噛み締めています。この気持ちはどこへも向かうことなく、毎日の食卓に並んでは家族にも知られることなく消えていく。

無事に終わった稲刈り後の田んぼを見ながら、感謝を独り占めしている私です。

#大切なこと #早期米