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2025-02-12
21:32
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朝からしていた胸騒ぎが現実になってしまいました。
朝7時前、小雨がぱらつく中での1回目の出航。うねりは低く順調に沖の黒潮をタンクに汲み上げ帰港。
しかし着岸に失敗。バックしてやり直そうとした際に、自身を係留しているロープがプロペラに絡まり船は急停止。咄嗟の判断でなんとか陸に飛び移り前をロープで固定しました。さてどうしたものか。
とりあえず汲んできた海水をトラックに移してから考えよう…
ギアを入れずにエンジンを再始動、船に備え付けの揚水ポンプでタンクの水をトラックに移す…しかしどうもエンジンの出力が安定しない。おかしいなと思って燃料ゲージを確認すると、メモリがなくなっていました。
このままエンストするともっと大変なエンジントラブルになる!そう判断して片方のタンクの水が3/4減ったところで中止。
しかしご覧のように片側に500kgのタンクがあるせいで船が大きく傾いてしまいました。このままの状態でここを去ることはできません。強い横風吹いたら転覆するかもしれないからです。
どうするか指南していたところ、煙突がしまったままになっていることに気づきます。さっきの出力が不安定だった原因は煙突だったのでないか。
そう仮定し、煙突を開けて再びエンジンを始動。やはり出力は安定し、無事に全ての海水をトラックに移すことができ、傾きもなおりました。
さて、次は絡まった縄問題。かなり突っ張っている状態だったので、こちらも風が吹くと縄が切れて船が流されるかもしれない。
こういう事態になるとみんな潜って絡まりを取る話は以前から聞いていました。いやいやこの凍てついた海の中に?でも今それをやらないとロープが切れるかもしれない。
船に積んであった水中ゴーグルはゴムがへたれて使えず。ウエットスーツもないし、例えあっても重りをつけないと潜れない。
ゴーグルを買って、Tシャツパンツで潜ることに決定。ゴーグルを探して近くのコンビニ、ホームセンターなどまわるも、こんな冬に何言ってんだと笑われる始末。ところが最後に行った100円ショップでゴーグルを発見。
再び船にもどり、冷たい風に震えながらゴーグルを装着してパンツになり、腰に命綱を巻きました。流石にドボンは危ないのでまずは足から…
船の手すりに手をかけて、下半身まで浸かってみました。
舐めてました。冷たいプールの比じゃありません。一気に奪われる体温と、それに合わせて鼓動が急激に速くなり、呼吸がままならない。こんなの胸まで浸かってしまったら…
それでも行こう!と、一瞬体育会系の血が騒ぎましたが、命優先の本能が勝ちました。これは無理!船にも足のかけ場がなく自力で上がれないので、カイヘイくんの手を借りてなんとか船に。
さっきまで寒かったはずの空気が全然寒くないことに驚きました。
船はしばらく出せそうにありません。ロープも切れないように、船が流されないように工夫して、いつもの半分の海水を積んで帰路に。
言葉にできないほど、たくさんの学びがありました。
こうした経験を経て船乗りになっていくのでしょう。
大先輩方には尊敬しかありません。
#沖の潮
生まれ育った浜松に、昨年からここくの商品が並ぶようになりました。そのタイミングで開催した味噌づくり。第二回目の開催のお知らせです。
日時:2月26日(水)13:00-15:30
場所:ビオあつみエピスリー浜松
在来種の麦・大豆、そして沖に出て汲み上げた黒潮の海塩。
こだわりの麦味噌2.5kg持ちかえり
さらに味噌・麦・塩について詳しくなれるおはなしもあります。
お申し込み・詳細はWebサイトよりどうぞ。
うーん、なんて可愛い船なんだ。
ここく号のシールを貼って初めての出航、今朝は2回目となる潮取りでした。
やっぱり離岸着岸でやらかして、少し怖い思いもしましたが、今日も無事に帰って来れた。
普通に生活してたら、なかなか考えないこと。
「いってきます」と家を出て「ただいま」で帰ってくる毎日の尊さ。
船のことには慣れたいけど、この気持ちだけは忘れたくないな。
沖の潮はただいま欠品中ですが、今晩も沖で採れた黒潮を徹夜で炊いています。どうぞ今しばらく待ちください。
ここくの製造直売所に併設する「発酵スイーツ研究所」では砂糖・乳卵・小麦不使用のオーガニックなスイーツを日々研究しています。
それは砂糖の代わりに甘酒を使用した発酵スイーツであり、さらに乳・卵などの動物性は不使用だから消化にやさしい。
そして小麦を使わないグルテンフリースイーツ!だけど、米粉は使わずに、米粉よりも食物繊維が10倍多い大麦粉を使っているという腸活スイーツでもあります。しかもすべて原料はオーガニック♡
お初となる、かわいいミニホールケーキが今月の研究発表として登場しましたので、オンラインショップでもご注文受付ます。
大麦ガトーショコラや甘酒チョコレートのしっとり生地の間に、ザクザクな大麦クッキータルトがはさまり、さらに甘味が凝縮されたドライいちごをふんだんにのせました。
かわいいおひとり様用ホールケーキ(3号:9cm)です。
冷凍便でお送りしますので、他の発酵スイーツと組み合わせてどうぞ。
2月7日(金)の午後から数量限定で店頭販売開始いたします。オンラインショップの受付は本日から。
※ご注文の順番通りにお届けいたしますが、状況によりお待ちいただく場合がございますのであらかじめご了承ください。
#発酵スイーツ研究所
昨年に引き続き、DEAN&DELUCA福岡店にて味噌づくりを行わせていただきました。ご参加いただいたみなさんありがとうございました。
ここでの開催の魅力はなんといってもシェフの料理です。ここくの味噌や麦、大豆を使ってシェフがつくる料理の数々はひとつひとつ感心してしまいます。
なかでも特に感心したのは大麦粉で作ったパリパリ食感のガレット。大麦粉でガレットを作ってもらったのは初めてでしたが、グルテンが入っていないから伸びが良く、非常に作りやすかったとのことです。パリパリ食感でとってもおいしかった!
応用すればクレープもできるかも?
新しい可能性にワクワク!一番僕が楽しんでいたかもしれません。
そして、嬉しいニュース!
DD福岡さんではこれまでも麦味噌を置いてくださってましたが、今後はあわせ味噌、フムス味噌、沖の潮、ごはん豆、ごはん麦、むかし麦茶、大麦粉、たまり餡あずき/きなこ、なども置いてくださるそうです。
沖の潮だけ、昨日の時点で完売してしまいましたが、その他の商品はまだ店舗にございます。ぜひご利用くださいね。
毎月30日(みそか)にお味噌を届けるから「みそみそ便」。宮崎市内は直接届けて周り、遠方の方には宅配で送るシステム。
今日でなんと丸10年となりました。最初からお届けしている方とはもう10年も毎月顔を合わせたりしているということに。
嬉しいやらおそろしいやら…なんと月日が経つのは早いことでしょう。
最初の頃は40件以上あったのに、今では20件ちょっと。
それでも待っていてくれる方がいるから、やっぱり続けなくちゃ。
気持ちで届けている毎月のオマケのお礼に、たまにこんな温かな気持ちをいただけるのも楽しみのひとつ。感謝が心に染み渡ります。
そんなわけで、11年目となる来期の募集を開始します。10年間、ずっと同じ値段でやってきたけれど、さすがに今期からは価格を見直させていただきました。それでもお得と思いますよ。
ご希望の方はWebサイトの申し込みフォームからお申し込みください。届けるものの組み合わせは自由。隔月便もある一年間の先払いシステムです。
https://cococu.jp/misomiso/
おいしいおはなし届けます。
滋味はこころの豊かさに。
ここくのコンセプトを表すこの一文。英語にしたかったけれど、とてつもなく難しい英訳になるのは予想できました。
これを訳してくれたのは日本語のニュアンスもしっかり汲み取ってくれるネイティブのKENさん。Fujirockのステージディレクターも務めるアニキです。
DELIVERING TALES OF DELICIOUSNESS
WHOLESOME FLAVOURS WHOLE HEARTEDLY
何度見返しても素晴らしい。おはなしを「STORY」ではなく「TALES」で表現するあたり。「おはなし」という日本語に含まれる、子供に言い聞かせるような、御伽話のようなニュアンスをしっかり残してくれました。
この英訳を作ってからはもう9年経っているようです。そのKENさんが今日、東京から宮崎に遊びに来てくれました。
9年経っても変わらない、一番大切にしていること。
いろんなところに添えているこの英文にはそんなおはなしがありました。
港で迎える夕暮れはどうしてこんなに色気に満ちているんだろう。
オレンジと青のグラデーションの空の下、陸に積み重なる廃船の下に静かに打ち寄せる港の波。波間に揺らぐ街の明かりや港の明かりは、まもなくやってくる深い闇の訪れを感じさせる。
一方で、漁協はむしろ活気付くようにこうこうと明かりをつけ、横付けしている漁船はタンタンタンと静かな音を港に響かせている。
古きものと新しいもの、闇の怖さと家の暖かな明かり。その狭間に立つ私はどちらにも心が揺れ動くけれど、昼間働いていたからやっぱり温かな家に帰りたくなる。
子どもの頃、暗くなるまで外でおもいっきり友達と遊んでいると、どこかの家から夕飯の匂いがしてきて、お腹が空いたから家に帰っていたあの感覚。だって夜は怖いもの。
今日は初めて船を1人で操船し、隣の隣の港に来ました。船を陸にあげて船底についた貝をとり、塗装をする作業。体中が痛いけれど、悪くない一日だった。
隅から隅まで磨き上げてピカピカにしてあげたから、この船との距離が一気に縮まった気がする。
船には名前をつけないといけないのだけど、普通に「ここく」号としました。はやくステッカーつくって貼らなくちゃ。明日はドックから再び海に戻り、本来の船着場にもどります。
#潮取り船 #沖の潮
価格改定のお知らせです。
10年間、ほとんど値上げすることなく同じ値段で踏ん張ってきましたが、ここ数年の原油価格の高騰、それに伴い包装資材があがり、米代もあがり、輸送費もあがり、そして人件費までもあがりました。なかでもお味噌はほとんど利益がない状態が続いてきました。
「プレミアム味噌にはしたくない」という想いから、もともと内容の割に高くない金額設定を10年貫いてきましたが、さすがに赤字になると潰れてしまうので今年から値上げをすることを決断しました。
みなさん厳しい状況と思いますが、どうかご理解・ご容赦のほどよろしくお願い致します。
これからもおいしいものをお届けしながら、大切な種をしっかりと次の世代へ繋げられるように精進してまいります。
#大切なこと
みなさんはどんな年越しでしたか?
はじめての最後まで鑑賞した船引神楽
はじめて油津港で見た初日の出
はじめての鵜戸神社、大御神社参拝
はじめての登山は鹿児島の開聞岳に挑戦
毎年恒例の霧島神宮初詣
たぶん40年ぶりのスケート
帰省していた長男や甥っ子などとともに過ごし、昨年の船購入→初出航に続き、正月早々「はじめて」尽くしではじまりました。
今年も大切なものを大切にしながら、気負うことなく新しいことに挑戦していきたいと思います。
あらためまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
明日6日(月)初商
7日(火)定休日
8日(水)〜通常営業
10日(金)十日みその会
10日(金)〜14日(火)大根やぐら展@宮崎空港
新年明けましておめでとうございます。
今年は久しぶりに大阪から帰ってきた長男を連れ、地元の船引神楽を見にいきました。この神社の横にある保育園に通っている頃はまだ小さくて、寒くて途中で帰ってしまったりしていましたが、今回は最後まで見ることができて大満足。
県外に出て、この素朴な奉納神楽の良さが分かるようになったようです。
樹齢900年を超える楠の下、今年一年が素晴らしい一年になりますようにと願う元旦の朝です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
#船引神楽
本日は記念すべき、ここく号初の潮取りでした。
私も船長として初めての乗船。
一番不安だったのは離岸着岸。色々アタフタしたけどなんとか無事に終わりまして、まぁやっぱり、習うより慣れよ!トライアンドエラー上等ですね。
この歳になって、ついやったことないことから逃げてしまいがちだけど、自分のケツを叩いてよくやったなと今晩は自分を褒めております。
…10月下旬に船を買い、翌月に免許をとり、2ヶ月というスピード感で初出港ができたのは、前船長の手厚い指導と、この窓ガラスの向こうでハンドルを握るカイヘイくんがいてくれたことが大きいです。
東京生まれの彼の人生は、華やかな世界もどん底の世界も両方くぐってきていて、話を聞いていると映画を見ているよう。
その彼が潮づくりに魅力を感じ、朝焼けの中初めて海に出ていく。そんな貴重なワンシーンを見せてもらっているような、神々しい出港となりました。
カイヘイくんはトラックも運転できるし、船の免許(なんと1級)もあるし、畑もやっていたし、映像もできるし、家も近いし、何より色々な価値観が同じなので、僕はとっても頼りにしています。
彼が立派な潮職人になる過程、これからも追いかけさせていただきます。ひとまず記念すべき初出港、そして無事の帰港に感謝。
追われ続けている日々の中で、このところほのかに「ゆとり」を感じられるようになってきている。
風の揺らぎ、木立の揺らぎ
草の匂い、野焼きの匂い
川の音や子どもたちの笑い声
日々、ビューンと通り過ぎていた景色が見えてきたのはきっと先日から来てくれている彼のおかげ。
誰かに「すごい」と言われたいから「ここく」をしているわけじゃない。誰かと競ってるわけでもない。
本当に自分のできることなんてちっぽけだけど、この奇跡のように受け継がれてきた大切なタネを、子供たちに残したいから。
誰が聞いてもキレイゴトにしか聞こえないこんな戯言を、スッと心で受け入れてくれる人。
承認欲求の成れの果て。華やかな場所でチヤホヤされて、お金も沢山あった時代があった。人目に怯えて、虚無の中でひたむきに生きて、本当に大切な豊かなものに出会って…
もう充分、瞬間瞬間を全力に生きてきたから、ここからは人のためでしかない。私なりの生き方でしかない。
畑と潮づくり。
想いを共にしてくれる、心強い仲間が増えました。
13年間、孤独に待った甲斐がありました。
詳しくは追って。
昨年の11月で畑は13年目に入りました。
本日トークショーで話していて、ずいぶん自分の中に色々溜まっているものがあることを感じたのでここに吐露します。
私が就農した当初の農水省の指針は「6次産業化」。生産だけでなく農産物を加工して付加価値をつけて販売していきましょうというものでした。
大豆と麦を無農薬で栽培し、味噌に加工して販売するという私の当初の事業計画はまさにそれだったのですが、「前例がないから成功するかどうか判断できない」という理由で市からの補助はもらえませんでした。
それならと国の補助を申請したこともありましたが、まだ生産もしていない味噌の全量の取引契約書がないと通らないと言われます。(作ってもないものをどうやって?)
さんざん農業ではないとはねられたのに、商業として別の窓口に申請すると「農業だから」対象外だと言われます。
命懸けで畑を管理して農地を守っているのに「農業ではない」と言われる悔しさ。見返してやりたい気持ちをエネルギーに変えながら、地道に7年かけて作った実績を武器に、ようやく農業として認めてもらえて「認定農業者」になれたのはつい4年前。
しかし今でも、味噌を作るために生産している塩事業は農業として認めてもらえませんし、材料の半分以上が自社生産の農産物でないと農業にもなりません。
さらに売り上げの過半が農業でないと農地を所有できないという規定に常に脅かされています。
そんな最中、国の方針は6次産業ではなく有機農業推進に切り替わりました。今度こそ援護してもらえる!かと思いきや、有機JASをとらないと補助の対象外なんだそうです。
有機JASしか取り扱わないお店も稀にありますが、どこにいっても同じものが置いてあり、買う側は面白くありません。今は大手の量販店でも品揃えをよくするために、有機JASでなくても取引しているところがほとんどです。
なので、今さら有機JASの認証機関に10万以上払ってパッケージに有機JASマークつけたとしても何も変わらない。
「オーガニックが当たり前になって欲しい」というけれど、それは有機JASだから売れるわけではなくなることでもあり。有機JASはこれからどんどん価値を失っていくことになるのは間違いないと思います。
唯一価値があるとしたら輸出ですが、ローカルの風土を守りたいからオーガニックという選択をしているわけで、グローバリズムとオーガニックを同居させようとしてるのも矛盾しています。
無農薬で栽培していても有機JASとは無縁のここくですが、やはり突っ込まれるとこうしたこれまでの悔しさや今現在進行中の苦難が溢れ出てきます。
まだまだ途上のここくですが、一緒にこんな矛盾を正していってくれたらどんなに心強いことでしょう。まだまだ旅は続きます。
(ここまで読んでくださりありがとうございました!)
味噌,醤油だけでなく様々な発酵にまつわるワークショップを行う「うさ小屋」。いつも味噌づくりを教えている私も生徒として一緒に学ばせていただいてます。
その第二弾の開催が決定!
今回はなんとはるばる福岡から
Fly8kitchenproduce @fly8eightk.p のあすかさんをお迎えして、念願のキムチづくり教室を行なっていただきます。
あすかさんはいつもとってもパワフル!
お会いするだけで元気になれるので私も一緒に学ばせていただくのを楽しみにしています。
また、あすかさんは普段は薬膳料理教室などもされているので、その辺りも含めたキムチづくりになりそうです。
キムチだけでなく、ポッサムや薬膳茶のついたランチも楽しみのひとつ。
みんなで楽しくキムチを仕込みましょう。
<伝統キムチワークショップ>
祖母から伝わる無形文化遺産
キムチは韓国では毎日食卓に並ぶ発酵食品としても古くから愛され続けています。
こちらを皆様へご伝授致します。
<内容>
キムチの基礎知識 座学
キムチワークショップ(皆様と共につくります)
キムチ2株お持ち帰り
ポッサム、キムチ、わかめスープ薬膳茶 ランチ付き
<日時>
2025年1月24日(金)
11:00 - 14:00
<場所>
ここく/発酵スイーツ研究所
〒889-1604 宮崎市清武町船引3996-1
<参加費>
8,800円(税込) 材料費込み
定員12名
当日に参加費をお支払い下さい
<もちもの>
エプロン
ハンドタオル
汚れても良い服装
筆記用具
ジップロック大2枚
<申し込み締切>
1月19日(金)
みなさんのご参加お待ちしております。
ランチを食べながら一緒に美味しいキムチを仕込みましょう!
#うさ小屋
ash Design & Craft Fair 残り1週間となりました。
昨日、展示をしてくれている @ounauoさんと話していて、すっかり僕は彼女を勘違いしていたことを知りましたので、普段デザインやアートのことは話しませんが、ちょっと今から珍しく小難しいことを書こうと思います。
東京都写真美術館で今も行われている恵比寿映像祭。その第2回から8回までのWebを担当させていただいていました。
会期テーマに合わせてWebのビジュアルを考えて構築するのがわたしのミッションで、毎回とても難解な会期テーマをいただき、それに合わせたビジュアルを考えなければいけない作業。
デザイナーですから、会期テーマを代表するようなアート作品になってはいけません。テーマに合わせて世界中からアーティストの作品が集められる企画展。その作品たちが主役。
告知のためのデザインはあくまで脇役に徹しなければいけないけれども、しっかりテーマに沿ったビジュアルでなければいけないという、そもそもアートとデザインの違いは何?と何度も考えさせられる難しい作業。
とはいえ、毎回のテーマが自分のテーマといつもリンクしていて楽しい作業でもありました。
特に感慨深いのは最後のお仕事になった第8回。会期テーマは「動いている庭」。哲学者であり庭師でもあるジル・クレマンの著書から想起された企画展でした。
簡単にいうと、彼の著書で語られるのは、「人と自然」という二項対立で語られることに対するアンチテーゼでもあり、「自然を大切に。」という言葉に代表されるような、実は人間が自然を支配下に置いているような関係性は自然と言えるのかというものでした(実際はもっと深いです)
そこから生まれる様々な思考。整然と管理された美しい西洋の庭園は自然ではなく、アンコントローラブルな自然こそ本来の自然なのではないか、人もそもそも自然の中の一部じゃないか…など、まさに農業につながるような話でもあります。
わたしが考えたビジュアルは、「動いている庭」という文字を黒いアクリル板にレーザーカッターで彫り込み、そこに寒天を流し込んで、麹菌(カビ)を生やし、カビが生えていく様子を時間経過とともに撮影して映像にするというもの。
最初は計算通りに掘り込んだ文字の中で生えていたカビも、やがて文字をはみ出して生えてきます。カビからすれば文字なんて関係ありませんから、やがて文字ではなくなっていく。そんな様子をビジュアルにした、デザインと農業、味噌製造業が初めて融合したお仕事でした。
テーマタイトルや会期日程を添えることで「デザイン」としているわけですが、このビジュアル制作に至ってはかなり「アート」に近いものになってしまったかもしれません。
どちらなのか答えはありませんが、今日私が伝えたいのはこうした思考を巡らせる試みが、ここ宮崎には残念ながら皆無ということです。
以前住んでいた富山とは対照的に、宮崎はいつでも食べ物に溢れていて気候も暖かいからでしょうか。とにかく思考を深めることがありません。そんな「適当さに」随分助けられていますが、そもそも思考を深める時すらないのだとしたら、こうした思考を深める機会を作ることはすごく意義があることではないかと思ったのです。
残りの一週間、様々な作家さんの展示をどのように見ていけばいいのかも含めて、普段は得られない時間を過ごしてもらえたら幸いです。ここくで展示してくれているounaさんは、単に飾りたくなる絵を描いているのではなく、大豆畑に何度も足を運び、数えきれないほどのラフスケッチをして、かなり思考を深めた結果を示してくれています。
残りの一週間、彼女の考えている世界に足を踏みいれ、少し答えのない問いを思考してもらえたら本望です。
コーヒーやスイーツ、味噌とともに、清武町でお待ちしています。
@ash_designcraft
今年最後となる12月の研究発表は
孤高の抹茶好きに送る「あずきの抹茶ガトー」
くるみのガトーショコラ、ラムレーズンのソイチーズケーキと続けて発表した「とろける大麦ケーキ」シリーズの第3の刺客の登場です。
大麦粉のズシリとした食べごたえと、口の中で溶けていくような食感。塩茹で小豆がアクセントになり、抹茶の存分に香りを楽しめる逸品でございます。
巷ではグルテンフリースイーツが増えていますが、発酵スイーツ研究所がお送りするスイーツは米粉ではなく、大麦粉を使用しているというところ。
自社で無農薬・無肥料で育てた大麦を粉にした大麦粉は、八分付きだから香ばしくもあり、力のある味が魅力です。
食物繊維は小麦の3倍、白米の10倍。米の甘みを米麹の酵素で引き出した自然な甘みなので、もうスイーツとしてではなく食事にしてもいいぐらいの腸活スイーツと言えましょう。
ひとまず店頭のみでの購入後になります。
オンラインでの販売を希望される方はぜひ手を挙げてください。
現在、ラムレーズンのソイチーズケーキ、くるみのガトーショコラともに製造が追いついておりません。オンラインでご注文の方は今しばらくお待ちいただければ幸いです。
#発酵スイーツ研究所
トラブル続きだった麦の種まきは日没とともに終了。
昨日は気合を入れて朝5時に家を出たものの…
え?雨?
…天気予報によれば一応10時ぐらいには止むらしい。
雪のようなパラパラした雨だからこの程度なら朝日で乾く。
とにかくやれることやろうと
雨音を聞きながら
播種機を分解、整備。
トラクターに3つ装着。
燃料やタネの準備も完了!
道路は濡れてるけど雨は止んでるし
もう行ってやれ!
…30分かけて畑に到着。
さてはじめるぞ!と後ろを振り返ったら…
ない。
3個ある播種機のうちの真ん中のやつがない。
文字通り「脱落」です。
来る途中で道路に落としてきたらしい…
仕方ないので来た道をまた引き返す。
ネジが緩んでたのか…
どこに落としたんだろう…
壊れて使えなかったらどうしよう…
20分後、かなり戻ったところで身柄を保護。
親切なトラックのおっちゃんが道路脇によけてくれたらしい。
中に入れていた麦の種が道路に全部ぶちまけられて
播種機に少しの割れと変形あり。。
でもなんとか無事に使えそう!
今度はしっかり装着して再び畑へ。
そこからトラクターに乗ること8時間。
昼飯抜きでギリギリ間に合って、
終われば真っ暗、でも一安心のこの一枚です。
でもまだ大豆の収穫も麦の種まきも終わりません。
なかなか落ち着かないこの季節。
一進一退の攻防(?)が続きます。
#播種機脱落
鹿児島オーガニックフェスタにお越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
今年は両日共に快晴で、灰も少なく最高の日和。
いつも思うこと。
子供たちがトラクターにのったり竹のジャングルジムに乗ったりして喜んでいる姿、そして「オーガニック」というテーマのもとに集まった出店者たちの穏やかな談笑。
ずっとこんな景色が続いて欲しいし、私たちはそれを受け渡さなければと思います。
今年感じたこと。
ある意味熱狂的にオーガニックを選択してきた一世代上の先駆者たちがほぼいなくなり、普通にお買い物を楽しんでいる若い世代の姿が印象的でした。ここでしか買えないという雰囲気はなく、もう「オーガニック」は普通のことであるかのような次の世代。
「在来種で仕込んだお味噌はいかがですか」
今回はちょっとそんな言葉で声かけをしてみたりしましたが、しかし誰も振り向くことはありませんでした。
以前の私なら落胆し自信をなくしていたかもしれませんが、今はそれでいいと思っています。在来種を選択し、それを次の世代へ繋ぐのは生産者であるこちら側の責任。
在来種だから、オーガニックだから、という選択で私たちを選んでいただくのではなく、普通のおかいものの中で選んでいただけるように、「おいしい」という喜びや楽しみを届けていきたいと思います。
普通なら「また来年!」
と括るところですが、再び日曜日に鹿児島にまいります笑
地球畑・西田店さんにて、12/1(日)は店頭販売、そして12/2(月)は地球畑・荒田店さんにて久しぶりの味噌づくり。詳細は地球畑さんのインスタをご覧ください。
@chikyubatake_nishida @chikyubatake_arata
そして今年最後の出店は、12/7(土)、平和台公園のsizenさんの前で行われる「宮崎市オーガニック収穫祭」に出店します。
随分と冷え込み、年末の足音が聞こえてきました。あと一ヶ月、あたたかなお味噌汁で体を温めて、良い年越しを過ごしましょう。
#宮崎市オーガニック収穫祭
ash Design & Craft Fair 2024はいよいよ明日から。
鹿児島と宮崎の様々なお店で、様々な作家さんが期間中一斉に展示を行います。お店を巡り、素敵な作品に触れながらスタンプを集めると、お店や作家さんからの素敵なプレゼントもあるのです。
期間中は鹿児島・宮崎のアート好きな方が、パンフレット片手にうろうろ彷徨うことでしょう。
今年は麻布に油彩でペイントしていく独特の技法を行う ounaさん @ounauoを迎え、コーヒーや甘酒カフェラテ、砂糖・乳卵・小麦不使用のスイーツ、そして塩と発酵調味料でみなさんをお迎えします。
昨年のすうひゃん。と比べると、今回は結構アートフリーク向けに振り切ってる感じです!
アート好きな方はぜひ麻布の質感に浮かび上がる彼女の世界を感じにきてください。
ここく/発酵スイーツ研究所 @cococujpでお待ちしております。
ashスタートとなる明日、
23日(土・祝)は通常営業いたします。
作家在廊予定:
11.23(土)-24(日) 10:00-17:00
@ash_designcraft