2026-05-12 v0

製作秘話その1:たまり餡

13周年キャンペーン中、ここく商品のこれまで語られなかった製作秘話お届けいたします。
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「発酵あんこ」というのを聞いたことがあるでしょうか?

まったく初めて聞いた、という方は3割ぐらい。
聞いたことあるという方は6割ぐらい。
自分でも作ったことある!という方は1割ぐらい。

youtubeなど見ながら自分で作ったことある方、そのうち9割は「思ったほど甘くならなかった」といわれます。大抵は炊飯器でされてる方ばかり。

ここくが菓子製造業を取得して、最初に取り組んだのがこの発酵あんこでした。味噌や醤油と「醗酵」でつながるスイーツだからです。

最初は私たちもみなさんと同じように、動画を見ながらやってみました。炊いたあずきと米麹を混ぜ合わせて醗酵させる。

できあがったのは酸味とほのかな甘味が入り混じった、なんとも言えない味。時間をかけて作っただけに、「おいしい」と自分に言い聞かせるような、ほのかな甘味。体に良さそうで、これはこれでいいのかもしれない。

みなさん口を揃えて「甘さ控えめがいい」とおっしゃるから、これはこれでいいのかと思いきや、いろんな方に食べてもらうと、返ってきたのは「酸味が…」「甘いものを食べた気がしない」という厳しい声。

そこから1年かかりました。本当に満足できる甘味になるまでどうしたらいいのか、酸味を無くすにはどうしたらいいのか。

その過程で、あずきではなく、大豆を炊いて餡にして、きな粉をまぶした「きなこ餡」も誕生しました。ここでも、大豆の油分が邪魔したり、えぐみを無くすのに研究を重ねました。それを乗り越えたおかげで、この大豆餡にカカオパウダーを混ぜればちょこ餡になり、胡麻を混ぜればごま餡になることが判明。大豆はもちろん、私たちが栽培した自然栽培の在来種です。

これで完成かと思われましたが、次に待っていた試練は常温で売ること。

ジャムなどは砂糖をたくさん入れることで、甘味と水分がくっつき、菌が利用できない水分になります。菌が繁殖できる「自由水」がある割合を示すのが「水分活性値」。これが一定の値を下回らないと常温では販売できない。それを砂糖を入れずに実現するのは並大抵のことではありません。

鍵になるのは「餡ねり」と言われる、水分を飛ばしていく作業。

最初はスタッフが軍手をして、時折火傷をしながら、1時間近く餡子を焦げないように顔を真っ赤にして混ぜ続けていましたが、さすがにこれは苦行すぎる…

ということで、「あん練り機」という機械を導入。これにより安定して水分が飛ばせることで水分活性値も低くなり、常温で瓶で売れるようになりました。念のため毎回検査できるよう、測定器も購入しました。

さらに瓶だけでなく、この餡子を最中で食べてほしいと思いました。

偶然見つけた、キューブ状のかわいい三色最中。あずき、きなこに加えて、瓶にはない「ちょこあん」も加えて販売しましたが、最中はすぐにふやけてしまう。賞味期限が短すぎて最初はなかなか売れませんでした。自分で餡を包む最中セットも考えましたが、それではこのキューブのかわいい形が活きない。

そこで登場したのが寒天です。これを加えることで水分が最中皮に染み込まなくなり、常温で3ヶ月放置しても大丈夫なことも実証。今は安全性を考え、賞味期限1ヶ月で販売しています。

しかも、寒天を入れたらより餡子らしくなったのもありました。

こうして2年ぐらいの歳月をかけて完成した、叩き上げの醗酵あんこです。いろんなお声やノウハウがたまりにたまってます。

今ではこの最中だけでなく、発酵スイーツ研究所の店頭メニューであるたいやきや桜餅、あんみつ、どら焼き、パフェなどにも使われています。

甘酒風味の、優しい甘味ながらしっかりと満足感のある甘さに仕上がっています。

あずき餡はクリームチーズと合わせると最高。きなこ餡はピーナツバターのイメージで、ナッツやくるみと相性が良い。きなこ餡の方が、あずき餡より少し甘く仕上がっています。

ぜひこの機会にこの叩き上げ餡子をお試しくださいませ。