2025-02-14 v0

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2025-02-12
21:32
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朝からしていた胸騒ぎが現実になってしまいました。

朝7時前、小雨がぱらつく中での1回目の出航。うねりは低く順調に沖の黒潮をタンクに汲み上げ帰港。

しかし着岸に失敗。バックしてやり直そうとした際に、自身を係留しているロープがプロペラに絡まり船は急停止。咄嗟の判断でなんとか陸に飛び移り前をロープで固定しました。さてどうしたものか。

とりあえず汲んできた海水をトラックに移してから考えよう…

ギアを入れずにエンジンを再始動、船に備え付けの揚水ポンプでタンクの水をトラックに移す…しかしどうもエンジンの出力が安定しない。おかしいなと思って燃料ゲージを確認すると、メモリがなくなっていました。

このままエンストするともっと大変なエンジントラブルになる!そう判断して片方のタンクの水が3/4減ったところで中止。

しかしご覧のように片側に500kgのタンクがあるせいで船が大きく傾いてしまいました。このままの状態でここを去ることはできません。強い横風吹いたら転覆するかもしれないからです。

どうするか指南していたところ、煙突がしまったままになっていることに気づきます。さっきの出力が不安定だった原因は煙突だったのでないか。

そう仮定し、煙突を開けて再びエンジンを始動。やはり出力は安定し、無事に全ての海水をトラックに移すことができ、傾きもなおりました。

さて、次は絡まった縄問題。かなり突っ張っている状態だったので、こちらも風が吹くと縄が切れて船が流されるかもしれない。

こういう事態になるとみんな潜って絡まりを取る話は以前から聞いていました。いやいやこの凍てついた海の中に?でも今それをやらないとロープが切れるかもしれない。

船に積んであった水中ゴーグルはゴムがへたれて使えず。ウエットスーツもないし、例えあっても重りをつけないと潜れない。

ゴーグルを買って、Tシャツパンツで潜ることに決定。ゴーグルを探して近くのコンビニ、ホームセンターなどまわるも、こんな冬に何言ってんだと笑われる始末。ところが最後に行った100円ショップでゴーグルを発見。

再び船にもどり、冷たい風に震えながらゴーグルを装着してパンツになり、腰に命綱を巻きました。流石にドボンは危ないのでまずは足から…
船の手すりに手をかけて、下半身まで浸かってみました。

舐めてました。冷たいプールの比じゃありません。一気に奪われる体温と、それに合わせて鼓動が急激に速くなり、呼吸がままならない。こんなの胸まで浸かってしまったら…

それでも行こう!と、一瞬体育会系の血が騒ぎましたが、命優先の本能が勝ちました。これは無理!船にも足のかけ場がなく自力で上がれないので、カイヘイくんの手を借りてなんとか船に。

さっきまで寒かったはずの空気が全然寒くないことに驚きました。

船はしばらく出せそうにありません。ロープも切れないように、船が流されないように工夫して、いつもの半分の海水を積んで帰路に。

言葉にできないほど、たくさんの学びがありました。
こうした経験を経て船乗りになっていくのでしょう。
大先輩方には尊敬しかありません。

#沖の潮