いつも自転車のおじさん。名前は知りません。
歳の頃はおそらく70歳前後ですが、時々こうして荷台に奥さんを乗せ、ずいぶん遠くまで出かけています。
最近見かけなくなった、なんだかいい風景。
実は最初の頃、おじさんが浮浪者のように見えて苦手でした。なんでいつも自転車なんだろう…髪もすごく長くて不潔な感じ…でも挨拶をするとちゃんと返ってきます。
3年ぐらい経った頃、思い切って話しかけた私はすごく反省しました。
…聞けば目が悪くて車に乗れないんだそうです。目の前で話してる私の姿も二重に見えるくらい症状がひどくなり、事故を起こさないように車は乗らないようにしていると。
とても優しい人でした。
人と関わることに疲れて、個人主義の部屋に閉じこもりたい時代もありましたが、他人の人生を垣間見るのは味わい深いものです。
楽しかった時代、辛かった時代。苦労話も心に染み入るのは自分の過去に重ね合わせるからでしょうか。
車には乗れなくなったけれど、奥さんはどう思ってるかな? 2人の姿に、さまざまな想いがよぎります。
#つぶやき