2025-03-27 v0

車と船は似てるようで似てない話。

車検ではなく船検というのが4年に一度あり、救命具や浮き輪、錨などの装備のチェックを行うというもの。

駐車料金ではなく係留代。港によっても違うし、船の種類によっても違い、年払い。

駐車ではなく接岸。地面が常に動いているし、風や流れの影響を受けるのでめちゃくちゃ難しい。

パーキングブレーキなんてものはないから碇をおろす。抜けなくなることもあるし、かまないこともある。接岸中はロープでうまく固定する。

エンジントラブルで動かなくなっても、JAFなんて来てくれない。海上保安庁に救助要請したらとんでもないことになるので、よほどのことがない限り横のつながりでなんとかする。そして、どんどん流されるのでやっぱり碇が必要。

夜は電灯なんてないから灯台が唯一の目印。光り方は全部違っていて、海図に細かく書かれてる。船の光も右舷、左舷、正面、背面と全て光の色が決められている。

海上では左側通行ではなく右側通行。追い越しとか、漁船に対する対応とか、警鐘などいろいろ決め事がある。

そんないろいろある中で、一番車と違うと思うこと。

それは船の大きさです。
この写真の右側に小さな漁船がいるのが見えますか?

まるでアリとゾウみたいな、とんでもなくデカいのが前から来ることがあります。そして、車と違ってぐっと目を凝らしてもスピード感がまったく掴めない。大きければ大きいほど、動いてないように見えるのです。

先日も止まっているかと思いきや、結構なスピードでこちらにむかってきていて、甲板から懐中電灯で右(面舵)に避けろと注意されました。トロトロしていると、あの大きな汽笛を鳴らされるそうです。

いろんなことをベテラン船長から教えてもらいながら、まだまだ新米船長はビクビクしながら勉強中です。

#沖の潮 #潮汲み

2025-03-19 v0

いつも製麴をお願いしている地元の老舗、金子醸造さんは、実はお店の大家の実家でもあります。

先週の米糀200kgに続き、今週は麦麹250kgを製麴しました。このあと、操業80年になる醸造所は醤油の仕込みに入るため、室(むろ)の掃除に入ります。醤油の菌と混ざらないようにするためです。

来月からしばらくは味噌の麹を仕込めなくなるので、私たちは4-5月分の麹をまとめて3月に頼みます。このできあがった麹を冷凍保管したりして随時解凍して味噌を仕込んでいきます。

ただ、この時期は原料となる麦の在庫がなくなる季節。麦の収穫は5月下旬だからです。

昨年収穫した麦も、醤油仕込み用の麦を除き、底をついてしまいました。麦は麦麹のほか、大麦粉やごはん麦、麦茶などになってみなさんのお手元に届きますが、最優先で割り振られるのはやはり味噌。

むかし麦茶かごはん麦のどちらかが、来月末あたりに欠品になるかもしれません。

そして潮もまだまだ足りていない状況で、欠品している間にどんどん予約が入り、ようやく出してもすぐ欠品になるという状況が続いています。

塩釜がもう一つできるまではこんな状況が続くかもしれません。
お味噌や塩を見つけたらぜひ確保しておいてください。

色々と課題は山積みですが、まだまだがんばります。

#沖の潮

2025-03-13 v0

発酵スイーツ研究所はおかげさまで1.5周年!

これまでは一部の商品をのぞき、店頭のみでしか買えませんでしたが、1.5周年を記念してオンラインショップでも購入できるようになりました。

砂糖・乳卵・小麦を使わず、自社農園で育てた自然栽培大麦を中心としたオーガニックな原料を使用。発酵、酵素、食物繊維などを重視した腸活スイーツを毎月研究発表してきました。

子供に安心して食べさせられるだけでなく、体にどこまでもやさしい夢のスイーツ。むしろ食事にしてもいいぐらいです。

お得なセットもご用意していますが、店頭と同じように、バラで購入できますのでこの機会にぜひご利用ください。

https://cococu.stores.jp/


#発酵スイーツ研究発表

2025-03-05 v0

横浜→大阪→浜松と味噌づくりをしながら、みなさんにいろんなお味噌を味わっていただいて気付いたこと。

九州の方が赤味噌の食べ方を知らないように、東の方は麦味噌の食べ方を知らないということ。

麦味噌は甘味もさることながら、香りが最高にいいのです。

特にうちの麦味噌の香りがいい理由は、

自社精麦で八分づきの麦に麹をつけていること
倍麹(麹歩合20=乾燥大豆の2倍)麹を入れていること
在来種(改良品種ではない)から麦本来の風味

・・・などが理由になるかな?

九州はこの香りが大好きなもんで、「味噌煮込み」という発想がないのです。だって火を入れたら香りが飛んでしまうじゃないですか。

お味噌汁も、火を止めてから静かに溶き入れる
野菜につけて食べる
おにぎりに入れる
お水で溶いてサラダにかける
冷や汁でサラサラと

とまあ、こんな感じで食べるのがオツなんです。
赤味噌のようなコクはないけれど、甘味と香りを楽しんでみてください。

出汁はイリコやアゴがオススメ。ほんの少しだけカツオを効かせてもいいけれど、ホントに少しだけにしてください。

品のある甘い香りは、ちょっとだけツンとしているから、実はオリーブオイルのまったりした味わいとの相性もいい。香りも相乗効果でフルーティーになります。

出汁をとるのが面倒という方は、炊き立ての白米にチョコンと麦味噌を乗せてオリーブオイルをひと回し。そしてスプーンで混ぜて食べる!こんな火を使わない横着メシがなんと美味しいことか。

香り満載の朝メシ、ぜひお試しくださいませ。

#麦味噌

2025-02-17 v0

最近は海のことばかりで畑の様子をお伝えしておりませんでした。

人工物が一切視界に入らない場所。今、畑では麦がすくすくと育っています。4月には穂が出て、5月中旬には麦秋といわれる黄金色の景色になることでしょう。

この畑で育った在来種の六条大麦が、大麦粉としてお菓子になったり、ごはんと混ぜるごはん麦になったり、麦麹になってあたたかなお味噌汁になったり、じんわり染みる味わい深いお醤油になったりします。

この景色が遠く離れた都会に届きますように。
今日は冷たい風が麦をサワサワと揺らしています。

#裸麦

2025-02-16 v0

14年前までこの街に10年間住んでいました。
3ブロック先のマンションに事務所を借りて、フリーランスでデザインの仕事をしていた私。

一日中画面を見ている虚無のような世界で、徐々に食に興味を持ち始めました。宮崎に移住して農業をはじめることを決意し、あと一年で移住という時に起きた東日本大震災。

それから14年間、宮崎でいろいろなことがありました。

当時はまだ小さかった子供の手を引いてここを歩いていた私が、再びここで味噌づくりをしている不思議。

人生って面白い。
新横浜、菊名、篠原町、やっぱり好きです。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
また来ます。

#味噌づくり

2025-02-14 v0

Single Image
2025-02-12
21:32
EDIT
DEL
朝からしていた胸騒ぎが現実になってしまいました。

朝7時前、小雨がぱらつく中での1回目の出航。うねりは低く順調に沖の黒潮をタンクに汲み上げ帰港。

しかし着岸に失敗。バックしてやり直そうとした際に、自身を係留しているロープがプロペラに絡まり船は急停止。咄嗟の判断でなんとか陸に飛び移り前をロープで固定しました。さてどうしたものか。

とりあえず汲んできた海水をトラックに移してから考えよう…

ギアを入れずにエンジンを再始動、船に備え付けの揚水ポンプでタンクの水をトラックに移す…しかしどうもエンジンの出力が安定しない。おかしいなと思って燃料ゲージを確認すると、メモリがなくなっていました。

このままエンストするともっと大変なエンジントラブルになる!そう判断して片方のタンクの水が3/4減ったところで中止。

しかしご覧のように片側に500kgのタンクがあるせいで船が大きく傾いてしまいました。このままの状態でここを去ることはできません。強い横風吹いたら転覆するかもしれないからです。

どうするか指南していたところ、煙突がしまったままになっていることに気づきます。さっきの出力が不安定だった原因は煙突だったのでないか。

そう仮定し、煙突を開けて再びエンジンを始動。やはり出力は安定し、無事に全ての海水をトラックに移すことができ、傾きもなおりました。

さて、次は絡まった縄問題。かなり突っ張っている状態だったので、こちらも風が吹くと縄が切れて船が流されるかもしれない。

こういう事態になるとみんな潜って絡まりを取る話は以前から聞いていました。いやいやこの凍てついた海の中に?でも今それをやらないとロープが切れるかもしれない。

船に積んであった水中ゴーグルはゴムがへたれて使えず。ウエットスーツもないし、例えあっても重りをつけないと潜れない。

ゴーグルを買って、Tシャツパンツで潜ることに決定。ゴーグルを探して近くのコンビニ、ホームセンターなどまわるも、こんな冬に何言ってんだと笑われる始末。ところが最後に行った100円ショップでゴーグルを発見。

再び船にもどり、冷たい風に震えながらゴーグルを装着してパンツになり、腰に命綱を巻きました。流石にドボンは危ないのでまずは足から…
船の手すりに手をかけて、下半身まで浸かってみました。

舐めてました。冷たいプールの比じゃありません。一気に奪われる体温と、それに合わせて鼓動が急激に速くなり、呼吸がままならない。こんなの胸まで浸かってしまったら…

それでも行こう!と、一瞬体育会系の血が騒ぎましたが、命優先の本能が勝ちました。これは無理!船にも足のかけ場がなく自力で上がれないので、カイヘイくんの手を借りてなんとか船に。

さっきまで寒かったはずの空気が全然寒くないことに驚きました。

船はしばらく出せそうにありません。ロープも切れないように、船が流されないように工夫して、いつもの半分の海水を積んで帰路に。

言葉にできないほど、たくさんの学びがありました。
こうした経験を経て船乗りになっていくのでしょう。
大先輩方には尊敬しかありません。

#沖の潮

2025-02-07 v0

生まれ育った浜松に、昨年からここくの商品が並ぶようになりました。そのタイミングで開催した味噌づくり。第二回目の開催のお知らせです。

日時:2月26日(水)13:00-15:30
場所:ビオあつみエピスリー浜松

在来種の麦・大豆、そして沖に出て汲み上げた黒潮の海塩。
こだわりの麦味噌2.5kg持ちかえり
さらに味噌・麦・塩について詳しくなれるおはなしもあります。

お申し込み・詳細はWebサイトよりどうぞ。

2025-02-06 v0

うーん、なんて可愛い船なんだ。

ここく号のシールを貼って初めての出航、今朝は2回目となる潮取りでした。

やっぱり離岸着岸でやらかして、少し怖い思いもしましたが、今日も無事に帰って来れた。

普通に生活してたら、なかなか考えないこと。
「いってきます」と家を出て「ただいま」で帰ってくる毎日の尊さ。

船のことには慣れたいけど、この気持ちだけは忘れたくないな。

沖の潮はただいま欠品中ですが、今晩も沖で採れた黒潮を徹夜で炊いています。どうぞ今しばらく待ちください。

2025-02-04 v0

ここくの製造直売所に併設する「発酵スイーツ研究所」では砂糖・乳卵・小麦不使用のオーガニックなスイーツを日々研究しています。

それは砂糖の代わりに甘酒を使用した発酵スイーツであり、さらに乳・卵などの動物性は不使用だから消化にやさしい。
そして小麦を使わないグルテンフリースイーツ!だけど、米粉は使わずに、米粉よりも食物繊維が10倍多い大麦粉を使っているという腸活スイーツでもあります。しかもすべて原料はオーガニック♡

お初となる、かわいいミニホールケーキが今月の研究発表として登場しましたので、オンラインショップでもご注文受付ます。

大麦ガトーショコラや甘酒チョコレートのしっとり生地の間に、ザクザクな大麦クッキータルトがはさまり、さらに甘味が凝縮されたドライいちごをふんだんにのせました。

かわいいおひとり様用ホールケーキ(3号:9cm)です。
冷凍便でお送りしますので、他の発酵スイーツと組み合わせてどうぞ。

2月7日(金)の午後から数量限定で店頭販売開始いたします。オンラインショップの受付は本日から。

※ご注文の順番通りにお届けいたしますが、状況によりお待ちいただく場合がございますのであらかじめご了承ください。

#発酵スイーツ研究所

2025-02-03 v0

昨年に引き続き、DEAN&DELUCA福岡店にて味噌づくりを行わせていただきました。ご参加いただいたみなさんありがとうございました。

ここでの開催の魅力はなんといってもシェフの料理です。ここくの味噌や麦、大豆を使ってシェフがつくる料理の数々はひとつひとつ感心してしまいます。

なかでも特に感心したのは大麦粉で作ったパリパリ食感のガレット。大麦粉でガレットを作ってもらったのは初めてでしたが、グルテンが入っていないから伸びが良く、非常に作りやすかったとのことです。パリパリ食感でとってもおいしかった!

応用すればクレープもできるかも?
新しい可能性にワクワク!一番僕が楽しんでいたかもしれません。

そして、嬉しいニュース!

DD福岡さんではこれまでも麦味噌を置いてくださってましたが、今後はあわせ味噌、フムス味噌、沖の潮、ごはん豆、ごはん麦、むかし麦茶、大麦粉、たまり餡あずき/きなこ、なども置いてくださるそうです。

沖の潮だけ、昨日の時点で完売してしまいましたが、その他の商品はまだ店舗にございます。ぜひご利用くださいね。

2025-01-30 v0

毎月30日(みそか)にお味噌を届けるから「みそみそ便」。宮崎市内は直接届けて周り、遠方の方には宅配で送るシステム。

今日でなんと丸10年となりました。最初からお届けしている方とはもう10年も毎月顔を合わせたりしているということに。

嬉しいやらおそろしいやら…なんと月日が経つのは早いことでしょう。

最初の頃は40件以上あったのに、今では20件ちょっと。
それでも待っていてくれる方がいるから、やっぱり続けなくちゃ。

気持ちで届けている毎月のオマケのお礼に、たまにこんな温かな気持ちをいただけるのも楽しみのひとつ。感謝が心に染み渡ります。

そんなわけで、11年目となる来期の募集を開始します。10年間、ずっと同じ値段でやってきたけれど、さすがに今期からは価格を見直させていただきました。それでもお得と思いますよ。

ご希望の方はWebサイトの申し込みフォームからお申し込みください。届けるものの組み合わせは自由。隔月便もある一年間の先払いシステムです。

https://cococu.jp/misomiso/

2025-01-29 v0

おいしいおはなし届けます。
滋味はこころの豊かさに。

ここくのコンセプトを表すこの一文。英語にしたかったけれど、とてつもなく難しい英訳になるのは予想できました。

これを訳してくれたのは日本語のニュアンスもしっかり汲み取ってくれるネイティブのKENさん。Fujirockのステージディレクターも務めるアニキです。

DELIVERING TALES OF DELICIOUSNESS
WHOLESOME FLAVOURS WHOLE HEARTEDLY

何度見返しても素晴らしい。おはなしを「STORY」ではなく「TALES」で表現するあたり。「おはなし」という日本語に含まれる、子供に言い聞かせるような、御伽話のようなニュアンスをしっかり残してくれました。

この英訳を作ってからはもう9年経っているようです。そのKENさんが今日、東京から宮崎に遊びに来てくれました。

9年経っても変わらない、一番大切にしていること。
いろんなところに添えているこの英文にはそんなおはなしがありました。

2025-01-21 v0

港で迎える夕暮れはどうしてこんなに色気に満ちているんだろう。

オレンジと青のグラデーションの空の下、陸に積み重なる廃船の下に静かに打ち寄せる港の波。波間に揺らぐ街の明かりや港の明かりは、まもなくやってくる深い闇の訪れを感じさせる。

一方で、漁協はむしろ活気付くようにこうこうと明かりをつけ、横付けしている漁船はタンタンタンと静かな音を港に響かせている。

古きものと新しいもの、闇の怖さと家の暖かな明かり。その狭間に立つ私はどちらにも心が揺れ動くけれど、昼間働いていたからやっぱり温かな家に帰りたくなる。

子どもの頃、暗くなるまで外でおもいっきり友達と遊んでいると、どこかの家から夕飯の匂いがしてきて、お腹が空いたから家に帰っていたあの感覚。だって夜は怖いもの。

今日は初めて船を1人で操船し、隣の隣の港に来ました。船を陸にあげて船底についた貝をとり、塗装をする作業。体中が痛いけれど、悪くない一日だった。

隅から隅まで磨き上げてピカピカにしてあげたから、この船との距離が一気に縮まった気がする。

船には名前をつけないといけないのだけど、普通に「ここく」号としました。はやくステッカーつくって貼らなくちゃ。明日はドックから再び海に戻り、本来の船着場にもどります。

#潮取り船 #沖の潮

2025-01-09 v0

価格改定のお知らせです。

10年間、ほとんど値上げすることなく同じ値段で踏ん張ってきましたが、ここ数年の原油価格の高騰、それに伴い包装資材があがり、米代もあがり、輸送費もあがり、そして人件費までもあがりました。なかでもお味噌はほとんど利益がない状態が続いてきました。

「プレミアム味噌にはしたくない」という想いから、もともと内容の割に高くない金額設定を10年貫いてきましたが、さすがに赤字になると潰れてしまうので今年から値上げをすることを決断しました。

みなさん厳しい状況と思いますが、どうかご理解・ご容赦のほどよろしくお願い致します。

これからもおいしいものをお届けしながら、大切な種をしっかりと次の世代へ繋げられるように精進してまいります。

#大切なこと

2025-01-05 v0

みなさんはどんな年越しでしたか?

はじめての最後まで鑑賞した船引神楽
はじめて油津港で見た初日の出
はじめての鵜戸神社、大御神社参拝
はじめての登山は鹿児島の開聞岳に挑戦
毎年恒例の霧島神宮初詣
たぶん40年ぶりのスケート

帰省していた長男や甥っ子などとともに過ごし、昨年の船購入→初出航に続き、正月早々「はじめて」尽くしではじまりました。

今年も大切なものを大切にしながら、気負うことなく新しいことに挑戦していきたいと思います。

あらためまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

明日6日(月)初商
7日(火)定休日
8日(水)〜通常営業
10日(金)十日みその会
10日(金)〜14日(火)大根やぐら展@宮崎空港

2025-01-01 v0

新年明けましておめでとうございます。

今年は久しぶりに大阪から帰ってきた長男を連れ、地元の船引神楽を見にいきました。この神社の横にある保育園に通っている頃はまだ小さくて、寒くて途中で帰ってしまったりしていましたが、今回は最後まで見ることができて大満足。

県外に出て、この素朴な奉納神楽の良さが分かるようになったようです。

樹齢900年を超える楠の下、今年一年が素晴らしい一年になりますようにと願う元旦の朝です。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

#船引神楽

2024-12-25 v0

本日は記念すべき、ここく号初の潮取りでした。
私も船長として初めての乗船。

一番不安だったのは離岸着岸。色々アタフタしたけどなんとか無事に終わりまして、まぁやっぱり、習うより慣れよ!トライアンドエラー上等ですね。

この歳になって、ついやったことないことから逃げてしまいがちだけど、自分のケツを叩いてよくやったなと今晩は自分を褒めております。

…10月下旬に船を買い、翌月に免許をとり、2ヶ月というスピード感で初出港ができたのは、前船長の手厚い指導と、この窓ガラスの向こうでハンドルを握るカイヘイくんがいてくれたことが大きいです。

東京生まれの彼の人生は、華やかな世界もどん底の世界も両方くぐってきていて、話を聞いていると映画を見ているよう。

その彼が潮づくりに魅力を感じ、朝焼けの中初めて海に出ていく。そんな貴重なワンシーンを見せてもらっているような、神々しい出港となりました。

カイヘイくんはトラックも運転できるし、船の免許(なんと1級)もあるし、畑もやっていたし、映像もできるし、家も近いし、何より色々な価値観が同じなので、僕はとっても頼りにしています。

彼が立派な潮職人になる過程、これからも追いかけさせていただきます。ひとまず記念すべき初出港、そして無事の帰港に感謝。

2024-12-15 v0

追われ続けている日々の中で、このところほのかに「ゆとり」を感じられるようになってきている。

風の揺らぎ、木立の揺らぎ
草の匂い、野焼きの匂い
川の音や子どもたちの笑い声

日々、ビューンと通り過ぎていた景色が見えてきたのはきっと先日から来てくれている彼のおかげ。

誰かに「すごい」と言われたいから「ここく」をしているわけじゃない。誰かと競ってるわけでもない。

本当に自分のできることなんてちっぽけだけど、この奇跡のように受け継がれてきた大切なタネを、子供たちに残したいから。

誰が聞いてもキレイゴトにしか聞こえないこんな戯言を、スッと心で受け入れてくれる人。

承認欲求の成れの果て。華やかな場所でチヤホヤされて、お金も沢山あった時代があった。人目に怯えて、虚無の中でひたむきに生きて、本当に大切な豊かなものに出会って…

もう充分、瞬間瞬間を全力に生きてきたから、ここからは人のためでしかない。私なりの生き方でしかない。

畑と潮づくり。
想いを共にしてくれる、心強い仲間が増えました。
13年間、孤独に待った甲斐がありました。

詳しくは追って。

2024-12-07 v0

昨年の11月で畑は13年目に入りました。

本日トークショーで話していて、ずいぶん自分の中に色々溜まっているものがあることを感じたのでここに吐露します。

私が就農した当初の農水省の指針は「6次産業化」。生産だけでなく農産物を加工して付加価値をつけて販売していきましょうというものでした。

大豆と麦を無農薬で栽培し、味噌に加工して販売するという私の当初の事業計画はまさにそれだったのですが、「前例がないから成功するかどうか判断できない」という理由で市からの補助はもらえませんでした。

それならと国の補助を申請したこともありましたが、まだ生産もしていない味噌の全量の取引契約書がないと通らないと言われます。(作ってもないものをどうやって?)

さんざん農業ではないとはねられたのに、商業として別の窓口に申請すると「農業だから」対象外だと言われます。

命懸けで畑を管理して農地を守っているのに「農業ではない」と言われる悔しさ。見返してやりたい気持ちをエネルギーに変えながら、地道に7年かけて作った実績を武器に、ようやく農業として認めてもらえて「認定農業者」になれたのはつい4年前。

しかし今でも、味噌を作るために生産している塩事業は農業として認めてもらえませんし、材料の半分以上が自社生産の農産物でないと農業にもなりません。

さらに売り上げの過半が農業でないと農地を所有できないという規定に常に脅かされています。

そんな最中、国の方針は6次産業ではなく有機農業推進に切り替わりました。今度こそ援護してもらえる!かと思いきや、有機JASをとらないと補助の対象外なんだそうです。

有機JASしか取り扱わないお店も稀にありますが、どこにいっても同じものが置いてあり、買う側は面白くありません。今は大手の量販店でも品揃えをよくするために、有機JASでなくても取引しているところがほとんどです。

なので、今さら有機JASの認証機関に10万以上払ってパッケージに有機JASマークつけたとしても何も変わらない。

「オーガニックが当たり前になって欲しい」というけれど、それは有機JASだから売れるわけではなくなることでもあり。有機JASはこれからどんどん価値を失っていくことになるのは間違いないと思います。

唯一価値があるとしたら輸出ですが、ローカルの風土を守りたいからオーガニックという選択をしているわけで、グローバリズムとオーガニックを同居させようとしてるのも矛盾しています。

無農薬で栽培していても有機JASとは無縁のここくですが、やはり突っ込まれるとこうしたこれまでの悔しさや今現在進行中の苦難が溢れ出てきます。

まだまだ途上のここくですが、一緒にこんな矛盾を正していってくれたらどんなに心強いことでしょう。まだまだ旅は続きます。

(ここまで読んでくださりありがとうございました!)