農業をはじめる前は何も分からないから、農法だとか肥料だとか、あるいは土壌菌といわれる微生物だとか、色んな先輩の方の話に耳を傾けたり、本を読み漁ったりしていました。
今でもそんな話をふられたりしますし、こうあるべきだ!と説明されることや、この人の話を聞きに行きなさい、と言われたりもします。
経験者でない人からアドバイスされるという、本当に特殊な業種だと思います。他の職種ではちょっと考えられないことです。
実際に農業をはじめてみると、結論なんてものは存在しないことがすぐにわかりました。
気候や土質は畑によって変わるし、一つの畑の中でさえ条件も変わります。答えなんて存在しないから、畑によってやり方を変えていたり。それは何年も同じ畑に立っているからこその観察の賜物です。
そうして観察を積み上げて努力しても、やっぱり天気には敵いません。台風や大雨はそんな理論はもろともせず全てを洗い流していきます。獣害もそう。
収穫量を増やす研究を沢山積み重ねても、収穫ゼロになる経験を必ずします。
そして行き着くのは、どれだけ悪天候でも被害を少なくするか。どれだけ少ないチャンスでしっかり管理ができるか。
というわけで、現場の関心は人手の確保だったり、機械の導入だったりが一番の関心ごとになるわけで、循環型農業や土壌の微生物論などは遠い昔に置いてきた関心ごとになってしまうのです。
それがなかなか伝わらなくて本当に難しい。
みんな一生懸命に考えてくれているのは分かるし、きっとある意味では正しいことを言ってくれているのだと思うけれど、、
今日は前から欲しいと思っていた新型の機械を貸していただけることになりました。これがあれば熱中症でフラフラになることもなく、夏場の大豆の管理が短時間でしっかりできるというもの。
まずはできてないことをできるように。
少しずつ前に進んでいます。どうか温かくお見守りいただければ幸いです。
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