固定種や在来種の重要性について、ここくはあまり語らないようにしています。というか、語らなくなりました。
むかし、在来種をみんなで食べて大切にしよう、みたいな会がありました。私はそこに唯一の農業者として参加して、大切に育てたモチキビをちぎって持っていきました。でも、あんなにおいしいと好評だったのに、ほとんど売れ残ってしまったことがありました。
署名運動してまわっている方は、タネの重要性をトクトクと私に説明しながら、私が守っている種については何も興味を持つことなく去っていきます。
当時は馬鹿にされたような、必死でタネを守っていることを否定されたような悲しい気持ちになったりしもました。
でも、だからといって、私がタネが失われる危険性を訴えるのもきっと違う。
なんだかそういうバイブスは「おいしい」に繋がらないのです。おいしくなかったら買ってもらえない。そして種は途絶えてしまう。
だから前出の方達にも僕たちには決してできない役目があり、私たちの役回りはといえば、タネを粛々と植えて、繋ぎ、守りながら、いろんな意味で「おいしい」ものを届けること。
時代の流れを止めることよりも、新しい波をつくること。
そこに気づいたさまざまなスペシャリストが、同じ想いでおいしい、うれしい、楽しいで動いています。社会活動ではなく、事業として成立させることがタネを守ることになる。
先代から受け継いだこの大切なタネを、次の世代へ繋ぐために。
これからも皆さんに喜んでいただけるものを届けていきます。
たまにはこんな真面目な話でした。
#在来種 #固定種 #自然栽培