2019-02-09 v0

種を分けて欲しいと訪れる人もいれば、私の知らないところでごはん豆を買い、それを種にして育てている人もいます。

種は誰のものでもありません。私だって高千穂のシンイチさんから受け継いでいるだけ。購入したのではなく、「豊作だったら倍返し」のルールでした。

種をつないできてくれた方へのリスペクトだけは決して忘れたくないのです。

それを忘れてしまったら種はただの物質に成り下がってしまうから。物質を食べて生きている私は、物質になってしまうから。
今日、ごはん豆のすぐ横で三分の一以下の値段で売られている麻尻大豆を見つけました。大豆(あさじり)と書いて売られている横では、黒い極小大豆まで。

黒い極小大豆も(あさじり)と書かれていましたが、それは麻尻大豆ではありません。私が地主さんの庭に生えていた3株ほどの大豆のひと枝をもらい、10粒から3年かけて増やしたものです。

私はこの大豆を売っている農家さんの顔を知っています。ごはん豆を買って育てているとは聞いていました。

自家用につくり、豊作だったので捨てるのはもったいないから、小遣い稼ぎにこうして安い値段で数袋を出しているんでしょう。なんの悪気もないんだと思います。

でもそれをされてしまったら…みなさんはどうなるかわかりますか?

直売所が安いのは、こうして年金をもらっている世代が自家用で作った余りを持ってくるから。真面目によいものを作ろうとしている農家さんは直売所に並べても高いと思われてしまうだけ。結果的に品質の悪いものが揃うことになります。

また、「無農薬」と表示してはいけない決まりがあり、市場に出すことはできません。こうした直売所こそ、若い農家さんの販売先になり、みなで次の世代を育てていくべき場所なんですが、残念なことにこんな状況なのです。

現場に入らないと分からない、誰も伝えたがらないリアル。こんなテキストをあえて投稿するのもまた、私の役割なのかなと思います。

#大切なこと #自家採種 #在来種 #直売所