椎葉の焼畑へ。
宮崎市内からでさえ車で3時間かかる椎葉村は、ここくの育てている在来の裸麦を見つけた場所でもあります。
ちなみに裸麦の種を分けてくれたおばあちゃんの家はここからさらに1時間山奥に入ったところ…
裸麦の種は椎葉のおばあちゃんから分けていただきましたが、大豆の種はお隣の高千穂町で分けていただきました。
その大豆の種を、私が椎葉の別の方に5年前ぐらいにお譲りして、そのご縁で今日はこの焼畑に呼んでいただいた、種のご縁の焼畑です。
とにかく椎葉は山しかない。道路も道も畑も、全て斜め。時折平衡感覚がおかしくなりそうになります。
私たちが「法面」と呼ぶ急斜面は椎葉では「畑」であり、山道を延々歩いたところでも、水が沸いていれば石垣を作って平らな土地を作り田んぼにしてしまう。
カボチャは生垣や田んぼの石垣の端に這っていました。もちきびと同じようで違う「たかきび」も斜面に、私が分けた大豆も焼畑の後の斜面に植えられていました。
森を焼いた後は蕎麦を植え、翌年には小豆を植え、3年目には大豆を植える。そのあとは30-40年ほったらかして自然に返し、再び燃やして畑にする。
湿度と温度が充実している日本だからこそできる自然の循環です。
焼畑には自然破壊や地球温暖化のイメージがつきまとう現代ですが、それは「人と自然」という二元論に基づいているのかもしれません。
「人と自然」ではなく「人も自然」。自然と折り合いをつけながら共に生きていく姿こそ持続可能であり、その姿は30-40年ぐらいのゆっくりした時間の流れの中で育まれています。
私はまだ種を繋いで10年目。
この種がずっと続いていくように。たくさんの方に在来種のおいしさや素晴らしさを知っていただけるように。
そんな大きな時の流れの中で命を燃やしていきたいと思いました。本日は貴重な機会を与えていただきありがとうございました。
※ストーリーに動画をまとめてますのでそちらもご覧ください
#在来種 #椎葉村 #焼畑農業 #麻尻大豆 #裸麦